現行民法の時代(S23.1.1~)
その後昭和22年法律第222号により、旧民法第4編及び第5編の全面的な改正が行われました。結果、昭和23年1月1日から施行されたのが「現行民法」です。
この民法の特徴は、応急措置法の規定を多く取り入れたところにあり、現代では馴染みのある、以下の事柄が相続法として確立しました。
家督相続を廃止し、遺産相続に一本化(今後は単に「相続」と呼ばれる)
配偶者相続人の相続権の確立
諸子均分相続制の確立
祭祀財産を相続財産から切り離す祭祀財産制の確立
昭和37年の相続法改正
現行民法も、昭和23年当時からそのままということはなく、時代の変化を取り入れて、改正に改正を重ねました。昭和37年に、現行民法は大きく改正されました。改正項目は以下の通りです。
同時死亡の推定規定を設けた(民法32条の2)
代襲原因の明確化(相続開始以前の死亡など)(民法887条2項)
血族相続人の第一順位を「直系卑属」ではなく「子」に改めた(民法887条)
孫以下の直系卑属は常に代襲相続人になることが明確にされた(民法887条)
相続放棄者は初めから相続人ではないとされた(民法939条)
特別縁故者制度が新設された(民法958条の3)
昭和55年の相続法改正
昭和55年においても、現行民法は大きく改正されました。主な改正項目は次の通りです。
兄弟姉妹を被代襲者とする代襲相続人を甥姪に限定(民法889条2項)
配偶者相続人の相続分の引き上げ(1/2、2/3、3/4)(民法900条)
遺産分割の際に考慮すべき基準の明確化(民法906条)
寄与分制度を新設(民法904条の2)
遺留分の割合の変更(民法1028条)
その後の改正
その後も現行民法は改正を重ねています。
平成16年法律第147号において、民法それ自体が現代語化のための全面改正がさなれました。このとき相続分野においても、見出しをつける等の改正がなされています。