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相続分の譲渡と相続登記

相続分の譲渡によって相続登記はどうなる?


「相続分の譲渡」とは、譲渡相続人が、遺産に対するその有する割合的な持分を譲受人に移転することです。
詳しくは「相続分の譲渡とは」をご確認くださいませ。

では、相続人間で「相続分の譲渡」があった場合には、「相続登記」の申請はどのようになるのでしょうか。
共同相続の登記が既にある場面と、共同相続の登記がまだない場面に分けて解説します。
ここでは「共同相続の登記がまだない場面」について解説します。

「共同相続の登記が既にある場面」については、下記をご覧ください。

「相続分の贈与」「相続分の売買」を原因とする相続登記


なお、相続分の譲渡の譲受人が第三者である場合は「第三者への相続分の譲渡と相続登記」をご覧ください。

共同相続の登記がまだない場面


共同相続登記が経由される前に、相続人間で相続分の譲渡が行われた場面について解説します。
たとえば相続人がABCの3人(相続分各3分の1)で、CがAにその相続分を譲渡し、Aの相続分が3分の2、Bのそれが3分の1になったとしましょう。

相続登記の仕方
結論を述べると、その変更された相続分によって、共同相続登記が直接できることになります。
つまり被相続人名義である状態から、「Aが3分の2、Bが3分の1」という状態に、一度の所有権移転登記ですることが可能なのです。

登記先例においても、下記のように述べられています。

被相続人Aの共同相続人B、C、D、E、F(相続分各5分の1)のうち、C、D、Eがそれぞれの相続分をBに譲渡した場合には、被相続人名義の不動産についてB持分5分の4、F持分5分の1とする相続登記ができる(昭和59年10月15日民三5196民事局第三課長回答)


添付書類(登記原因証明情報)は?
では、相続分の譲渡があった場合に、添付書類(登記原因証明情報)として、何を添付しなければいけないのでしょうか。
登記先例は、次のように述べています。

共同相続人A、B、C、DのうちA、B、Cが相続分をDに譲渡した場合には、A、B、Cの印鑑証明書付き相続分譲渡証書を添付して、D一人を相続人とする相続登記を申請することができる(昭和59年10月15日民三5195民事局第三課長回答)

相続分譲渡証明書のひな形が知りたい方は、下記のページをご覧ください。

相続分譲渡証明書のひな形


「相続分の譲渡+遺産分割協議」の場合は?
では、共同相続人のうちの一人が他の共同相続人に相続分の譲渡をした後に、その譲渡人以外の共同相続人間において、ある不動産をその相続分の譲渡を受けた相続人が単独で相続する旨の遺産分割協議が成立した場合、相続登記はどのように申請したらよいのでしょうか。

登記先例は、次のように述べています。

登記原因証明情報の一部として、譲渡人の相続分の譲渡を証する書面(印鑑証明書付き)及び遺産分割協議の成立を証する書面(申請人を除く全員の印鑑証明書付き)を添付して、直接単独相続の登記を申請することができる(昭和59年10月15日民三5195民事局第三課長回答)


上記の取り扱いが認められるのは、共同相続人間での相続分の譲渡が、遺産分割に代わるものとして行われることが珍しくないため、相続登記未了で遺産分割協議があり、共同相続人中の一人が単独で相続することになった場面と同様の扱いを認めているのです。

相続登記の実務では、共同相続人間に遺産分割協議が成立した場合において、まだ共同相続登記が経由されていないときは、当該遺産分割協議により特定の相続不動産を単独取得することとなった者の名義に直接相続登記をすることが認められているのです(明治44年10月30日民刑904民刑局長回答)。

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